だて正夢
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「とびっきりのもちもち食感」を追求…
育成開始から12年。美味しさへの信念を貫き、
「だて正夢」ついに本格デビュー

宮城県古川農業試験場 作物育種部
主任研究員 遠藤 貴司


だて正夢の系譜

「ひとめぼれ」を超える品種を!
「美味しさ」のみを追求し、程よい「ねばり」を徹底的に検討

全国各地で作付けされ、品種別作付割合で全国第2位(平成28年)を誇る「ひとめぼれ」。しかし米価を取り巻く環境は厳しく、県内の農家から「全国のブランド米に勝る品種」が求められていました。

そこで「美味しさ」をひたすら追求する新品種開発に着手。目標は「ひとめぼれを超える美味しさ」です。

美味しさを追求すべく、炊飯米の「ねばり」「硬さ」「外観(光沢、白さ、粒の大きさ)」などの要素を検討。その結果、その中で万人に好まれるであろう「ねばり」に着目。

「ねばり」は米のデンプンの一種「アミロース」が低くなることで増します。そこで「おいしい!」と感じられるアミロース含有率の程度を徹底的に検討した結果、絶妙な「もちもち感」を感じられるアミロース含有率は10〜15%程度で、「ひとめぼれ」よりやや低い特徴を持つことがわかりました。

そこでアミロース含有率が「ひとめぼれ」よりやや低くなる「低アミロース性遺伝子」を持つ「北海292号(のちの「おぼろづき」)」を育種材料として交配を始めました。

だて正夢の系譜

「低アミロース」の美味しさを導入せよ!
しかし宮城の環境になかなか順応せず…

平成12年、宮城の環境に順応した稲を開発すべく、「北海292号(のちの「おぼろづき」)」と古川農業試験場が育成した「まなむすめ」を交配。

その後、「(とう)1126」として評価を続けるが、草丈が長くて倒れやすい、収量性が低いなど様々な問題が発生。

育種材料として使用した「北海292号(のちの「おぼろづき」)」は登熟期の気温が低い寒地での作付を念頭に開発されているため、この低アミロース性遺伝子を実用化したのは青森が南限でした。

結果、「(とう)1126」はなかなか宮城の環境になかなか順応せず、品種化を断念せざるを得ませんでした。

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「とびっきりのもちもち食感」へ再びチャレンジ!
東日本大震災を乗り越え、ついに本格デビューへ

とびっきりのもちもち食感を目指し、「(とう)1126」を育種材料として再度チャレンジ。平成18年、「(とう)1126」と、古川農業試験場が育成した「げんきまる」との交配を開始しました。

開発は順調に進みましたが、平成23年に東日本大震災が発生。試験場に大きな被害はなかったものの、被災地における支援物資の受け入れや仮設住宅入居手続き等、研究員達は被災者支援や津波被災農地における早期営農再開支援業務に従事しながら、限られた時間の中で試験を継続しました。

そして震災の翌年の平成24年。「東北210号」として奨励品種決定調査を開始。平成28年に宮城県における奨励品種に採用。「極良食味米」の主要特性を持つ奨励品種は震災後初でした。そして平成30年、育成から12年の歳月を経てついに本格デビューとなりました。

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